第16回アジアテレビドラマカンファレンス

16th ATDC in 能登



The future of Asian Content

アジアコンテンツの未来

 


開催地 日本石川県七尾市 加賀屋旅館「あえの風」

日程:2023年12月3日 、12月4日、12月5日  

一般社団法人ATDC

                                                                                    杉田亮毅(すぎたりょうき)

                            一般社団法人ATDC名誉顧問


 この二カ年、北陸地方の最北端、能登半島の七尾市で、「アジアTV ドラマカンファレンス」という国際会議が開かれている。テレビドラマの質を向上させようという目的で、日本、韓国、中国東南アジアなど九カ国のプロデューサー、脚本家などの専門家が一堂に集まり、自らの経験などを報告し合い、互いに切磋琢磨しているのだ。元々は、隣国の韓国などのレベルアップを狙って作った会議だったが、「今では逆転された日本が、韓国、中国から勉強する会議になってしまった」(日本側のプロデューサー沼田通嗣氏、脚本家羽原大介氏) かつて、アジアの中で、光り輝いていた日本のテレビドラマ、映画は、華々しく活躍する中国、韓国に比べ、すっかり影をひそめている。そして日本の視聴者は、中国、韓国のドラマ、映画に夢中になっている有様だ。音楽も恐らくそうである。世界市場を相手に活躍する韓国の音楽には、二周、三周もおいていかれているという。 何故か。三〇年にわたる経済の低迷が影響したことは確かだろう。しかしそれだけではない。貧乏している間に、生活を守ることのみに汲々として、テレビ、映画、音楽など、コンテンツ文化の大切さを忘れた、あるいは、認識が低下したのだ。政府も政治家も、経済を担う経営者も。あるいは、ジャーナリストもそうかもしれない。

 現代劇にしろ、歴史ドラマにしろ、テレビドラマや映画を外国の人々に見て貰うことは、自国の伝統や、ものの考え方、そして生活を、何のお説教もなく、映像を通して理解して貰うことになる。自分の音楽を聴いて貰って共感を呼ぶことは、情緒、心情において共有する部分を広げることになる。

 文化の交流は、演説や論文の何倍もの「外交」に値する。私は、国境を超えて文化の交流をすることは平和につながる、いわば、「第二の安全保障」になると言っている。 世界は今、ロシア、ウクライナ、イスラエル、ハマスと戦火の臭いが広がりつつある。

そういう時こそ、文化交流の重要性が高まることを改めて胸に刻もう。

                                                    2023年12月

                                                  日本経済新聞社 元社長

                                            参与・杉田亮毅


第15回事業報告書.pdf

第15回事業報告書

事業報告書決定−2.pdf

第16回事業報告書

能登半島地震で被災されたすべての皆様に心からお見舞いを申し上げます。


     2024年は未曽有の災害により厳しい年の始まりとなってしまいました。 

 1月1日午後4時過ぎに発生した能登半島地震の報に接しお見舞いを申し上げます。

 今回の地震は、2023年2月と12月の2回にわたりアジアテレビドラマカンファレンスを開催させていただいた七尾市・和倉温泉のある能登半島を襲い、甚大な被害をもたらしました。ロケ候補地で巡った能登半島各地の被害が伝えられていますがいまだ全容が分からない状況です。

 この間、アジアテレビドラマカンファレンスに参加した日本、韓国、中国、タイ、シンガポールを始めとした9か国のドラマ製作者・脚本家及び関係者から心配やお見舞い、そして応援の申し出をいただきました。各国からのお心遣いに感謝するとともに、今現地で何が求められているのか情報収集し、見極め、アジアテレビドラマカンファレンスの関係者とも連携を取りながら、私たちに出来ることを適時、継続的に実行に移して行きたいと考えています。

 寒さは続きますが必ず春は来ます。

 能登をはじめ今回の震災に遭われた皆様の安全と健康を心からお祈りいたします。

 

                                                                                                            一般社団法人ATDC

 



第16回テーマ「アジアコンテンツの未来」


2023年2月に開催されたアジアテレビドラマカンファレンスで一人の発表者から、

「欧米ではライバルは敵対する関係だがアジアではライバルを師匠とする」

という発言がありました。

 その言葉に多くの参加者が賛同し、

「そのアジアから世界にコンテンツを一緒に発信しよう」

という意見がまとまりました。


 日本の自然の豊かな能登でカンファレンスを

「アジアコンテンツの未来」というテーマで開催しました。





開催日程 

12月3日

1 日目 迎賓祭

124

2 日目 カンファレンス・分科会

12月5日

3 日目 能登半島ロケ地視察

 

 NEWS   


動画:プレイベント・七尾市長挨拶

動画:七尾市を舞台とした映画「君は放課後インソムニア」小説「等伯」の監督と作者によるトークイベント

動画:オープニングピッチング

動画:開会宣言・スペシャルピッチング・制作者セクション

動画:ワンミニッツピッチング・若手クリエーターセクション

動画:脚本家セクション・閉会式

16thアジアテレビドラマカンファレンス開催記念座談会開催

第15回アジアドラマカンファレンス - ATP

アジアのドラマ制作者 和倉で2月に国際会議 - 中日新聞

2023(令和5)年2月8日アジアテレビドラマカンファレンス開幕~能登ロケ誘致へ~ 七尾市

アジア各国 テレビドラマの国際会議はじまる 七尾市 - NHK NEWS WEB

【石川】アジアのドラマ集結 七尾で国際会議始まる - 中日新聞

ドラマ担い手 展望を熱く 9の国・地域200人が参加 - 中日新聞

能登のロケ地 可能性は? ドラマ国際会議 七尾など視察ツアー - 中日新聞

「第15回 アジアテレビドラマカンファレンス」にてU-NEXTがスペシャルピッチングを実施 -U-NEXT

 

アジアテレビドラマカンファレンス日本開催の目的


ガラパゴス化しているドラマをはじめとした日本のIPコンテンツ制作業界の現状を謙虚に直視し、

その上で、日本のIPコンテンツ制作業界を世界的競争力のある産業にするための

課題・問題点を議論し、日本のIP産業が一体となり古い、構造から脱却するための

解決策を見出し行動を始めるきっかけとなる場を設けること。



 開催概要

開催名:16thアジアTVドラマカンファレンス in 能登

テーマ:The future of Asian Content

               アジアコンテンツの未来

開催日程:2023年 12月3日、4日、5日

開催場所:石川県七尾市和倉温泉「加賀屋」姉妹館「あえの風」

主催:七尾市

主管:(一社) ATDC

共催:(一社) 全日本テレビ番組製作社連盟(略称ATP)

   (一社) 日本放送作家協会

    協同組合日本脚本家連盟

    協同組合日本シナリオ作家協会

   (一社) 地域企業連合会九州連携機構

    (一社) Water Planet Studio

   社団法人 韓国放送作家協会(KOREAN TV&RADIO WRITERS ASSOCIATION)

   社団法人 韓国ドラマ制作社協会

後援:(一社) 能登半島広域観光協会

特別協力:〈和倉温泉〉加賀屋

参加者

日本:(一社) 日本放送作家協会所属作家

   (一社) 全日本テレビ番組製作社連盟所属制作者

   (一社) Water Planet Studio所属制作者

   企業版ふるさと納税寄付による参加者

   その他、日本のIPコンテンツ制作にかかわる関係者

韓国:(社) 韓国放送作家協会所属作家

   (社) 韓国ドラマ制作社協会所属制作者

   韓国プラットホーム

   その他、韓国IPコンテンツ制作にかかわる関係者

中国:中国テレビドラマ制作産業協会

 

16thアジアTVドラマカンファレンス参加予定者

1thアジアTVドラマカンファレンス 前回の出展ブース

15thアジアTVドラマカンファレンス 協賛企業

株式会社AOI Pro.  Aoi Pro Inc., 

株式会社いまじん  Imagine Inc.

株式会社映像センター Audio visual Communications inc.,

株式会社エスピーオー SPO Entertainment  Inc.

株式会社大林組   Obayashi Corporation,

株式会社共同テレビジョン Kyodo Television Ltd.

たちばな信用金庫  Tachibana Shinkin Bank

株式会社テレパック Telepack co.Ltd., 

東武トップツアーズ株式会社 Tobu Top Tours Co. Ltd,

日本ステージ株式会社  Nihon Stage Co.Ltd.

株式会社ノックアウト  KnockOut, Inc.

株式会社プレジール  Plaisir Co. Ltd, 

株式会社ホリプロ   horipro, Inc.,

株式会社U-NEXT   U-Next Co. Ltd,

ロート製薬株式会社 Rhoto  Pharmaceutical Co. Ltd.


 前回のプログラム

初日 迎賓祭 「あえの風」にて 

 総合司会:米倉リエナ、岩瀬顕子

11:00~13:30  参加者到着・受付(名札配布・お荷物はクロークにて預かります)

総合司会の岩瀬顕子さん(左)、米倉リエナさん(右)

12:00~14:30 昼食 1階レストラン 「波の花」

13:00~ 新作&話題作上映会 「ホワイエ」

14:00~14:45 BtoB分科会 「でか山」

B to B 分科会

「でか山

U-NEXT

14:30~ 台湾作家 何昕明(ホ・シンミン)さん ピッチング フェスティバルホール

15:00~ セミナー フェスティバルホール

セミナー「地球温暖化」


ファシリテーター:羽田美智子

JACSES 遠藤理沙

JACSES 足立治郎 事務局長

ファシリテーターは羽田美智子さん

JACSES 足立事務局長(左)と遠藤さん(右)

記念撮影

17:30~18:00 韓国チーム到着・受付

18:30~19:00 オープニングセレモニー 「花舞茶寮」

1. 七尾市長 茶谷義隆さん 挨拶

2. 羽田美智子さん 挨拶

3. 参加者紹介

4. 韓国ゲスト・Jin Won(ジン・ウォン)さん クラシック歌

(ピアノ:Jin Sil(ジン・シル)さん)


撮影:清水すみれ

七尾市長 茶谷義隆さん

羽田美智子さん

韓国ゲスト・Jin Won(ジン・ウォン)さん

19:00~21:30 ウェルカムパーティ 「花舞茶寮」

1. ATDC 羽原大介代表 挨拶 

2. 乾杯

韓国放送作家協会前理事長 Lee Kum Lim(イ・グムリム)

・韓国ドラマ制作社協会理事長 Song Byeong Joon(ソン・ビョンジュン)

3. 食事スタート・歓談

4. 御陣乗太鼓パフォーマンス

5. 協賛企業紹介&挨拶

七尾市長より、株式会社ホリプロ津嶋取締役、東武トップツアーズ所 中部統括部長、株式会社テレビマンユニオン杉田副社長へ、感謝状贈呈


撮影:清水すみれ

ATDC

羽原大介 代表

韓国放送作家協会前理事長

Lee Kum Lim(イ・グムリム)さん

韓国ドラマ制作社協会理事長

Song Byeong Joon(ソン・ビョンジュン)さん

御陣乗太鼓パフォーマンス

 

2月7日 オープニング

撮影:清水すみれ

2月7日 会議の様子

撮影:清水すみれ

 

 

 二日目  カンファレンス BtoB分科会 「あえの風」にて 

 総合司会:岩瀬顕子

9:00~ 本会議  フェスティバルホール

1.参加者紹介

全日本テレビ番組製作社連盟

 沼田理事ほか

日本放送作家協会

 さらだ前理事長ほか

地域企業連合会九州連携機構

 小早川会長ほか

韓国ドラマ制作社協会

 ソン・ビョンジョン理事長ほか

韓国放送作家協会

 イ・グムリム前理事長ほか

・北京映画テレビ芸術協会

 張連生(Zhang Liansheng/チャン・リェンシュン)理事長

 脚本家 曾丹(Zeng Dan/ズン・タン)

 制作者 陳偉忠(陈 伟忠)(Chen Weizhong/チェン・ウェイチョン)

・その他

 タイ:10名

 シンガポール5名

 台湾5名

 インドネシア2名

 その他、マレーシア、イギリスより参加


2.市川森一脚本賞財団・特別表彰

市川森一脚本賞財団前理事 杉田亮毅

プレゼンター:三和ネットワークス代表理事 Ahn Jehyun(アン・ジェヒョン)

撮影:清水すみれ

9:20~ 最重要セッション  フェスティバルホール

発表者:


中国制作者:陳 偉忠(Chen Weizhong/チェン・ウェイチョン)


日本制作者:黒沢 淳:テレパックプロデューサー

   「正体」  MIPCOMバイヤー賞グランプリ

   「正直不動産」


韓国制作者:ハン・セミンASTORY社長

   「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」 NETFLIXグローバルランキング1位


10:20~ 制作者セッションディスカッション  フェスティバルホール

ファシリテーター:黄仙惠

制作者セッションディスカッション

中国制作者

陳 偉忠(Chen Weizhong/チェン・ウェイチョン)さん

日本制作者

黒沢 淳さん

韓国制作者

ハン・セミンさん

ファシリテーターは黄仙惠さん(左)

記念撮影

10:50 協賛企業スペシャルピッチング フェスティバルホール

U-NEXT

堤  天心 代表取締役社長

11:20 若手クリエイターセッション フェスティバルホール

映画監督:風間太樹

   「チア男子!!」 映画(2019年)

   「Silent」 テレビドラマ(2022年)


映画監督:川和田恵真

   「マイスモールランド」 映画(2022年)


ファシリテーター:長谷川朋子

若手クリエイターセッション

風間太樹さん

川和田恵真さん

ファシリテーターは長谷川朋子さん

記念撮影

12:00 昼食

13:00~ 新作&話題作上映会 「ホワイエ」

13:00~ カンファレンス再開 参加者1minピッチ ング フェスティバルホール

13:40~ スペシャルピッチング フェスティバルホール

ARRI STUDIO

Alex Her(左)さん、舟山美千代さん(右)

14:30 中ビジネスマッチング 「ロビーラウンジ」

14:30 BtoB分科会 U-NEXT 様 でか山」A室ほか

15:50 作家セッションディスカッション フェスティバルホール

発表者


中国作家:曾丹(Zeng Dan/ズン・タン)

   「宝物保護連合」

   「遠い距離」


脚本家:久松 真一:倉本聰さんの富良野塾出身

   「64―ロクヨン」

   「きんぴか」


脚本家:パク・ジェボム

   「ヴィンチェンツォ」  NETFLIXグローバルランキングTOP10

   「グッド・ドクター」  世界でリメイク


ファシリテータ:長谷川朋子

中国作家

曾丹(Zeng Dan/ズン・タン)さん

脚本家

久松 真一さん

脚本家

パク・ジェボムさん

脚本家セッション

ファシリテーターは長谷川朋子さん(左端)

記念撮影

17:20~ 統括スピーチ フェスティバルホール

閉会の挨拶:沼田議長

17:30~ 記念撮影 フェスティバルホール

各国の出席者の皆さん

学生ボランティアの皆さん

18:30~ サスティナブルディナー 「花舞茶寮」

乾杯の挨拶:

 ASTORY社長 ハン・セミン

締めの挨拶:

 UPSIDE社長 会田正裕

 脚本家 新井静流

 脚本家 赤石真菜

 東武トップツアーズ 安達友香

沼田議長

ASTORY社長 ハン・セミンさん

左から、東武トップツアーズ 安達友香さん、UPSIDE社長 会田正裕さん、脚本家 赤石真菜さん、脚本家 新井静流さん、沼田議長

客席の様子

 

2月8日 サスティナブルディナー会場

撮影:清水すみれ

2月8日 会議の様子

撮影:清水すみれ

 

 

 三日目 能登半島ロケ地視察ツアー

海の見える茶屋

集合写真撮影

七尾市内散策

丑寅の展望台

鰀目 漁港・能登島荘

 

会場詳細



〒926-0175 石川県七尾市和倉町和歌崎8の1 

花舞茶寮

フェスティバルホール

 

 企業版・ふるさと納税のお願いについて

企業版・ふるさと納税とは


地方公共団体が行う地方創生の取組に対する企業の寄附について法人関係税を税額控除をする制度です。


スポンサードとは全く違います。


まずは、ご支援のご意思をご検討いただきたく存じます。


是非とも「15th アジアドラマカンファレンス」

開催にご賛同いただき、この制度を活用し、開催に向けご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。

ご検討いただきたい事項


企業版ふるさと納税とは、ご支援様企業からすれば、本来納税所在地に支払う税の一部です。


法人住民税法人税割額上限 20% 、法人事業税額上限 20% かと存じますが、損金算入を活用することにより、


地方応援のために地方に納税し、税の軽減を活用しながら、地方創生にも貢献できるのです。


法人関係税 9 割が軽減される制度です。

 七尾市へのご寄付受付が始まりました。

ご協力いただける企業様からのお声がけお待ちしております。

ぜひともご協力をお願いいたします。

ご寄附いただける場合…金額決定後、担当者へお問い合わせください 


ご企業様向け支援シミュレーションサイト


https://furu-con.jp/info/simulator


私たちのシミュレーションでは、利益(経常)の20%まで寄付するほうが全体の納税額は下がるようですが、

各企業様により状況が違いますので、詳しくは税理士等にご確認ください。



その他参考になるサイト


内閣府地方創生

https://www.chisou.go.jp/tiiki/tiikisaisei/kigyou_furusato.html


企業版ふるさと納税活用事例集

https://www.chisou.go.jp/tiiki/tiikisaisei/portal/pdf/h31kigyojirei.pdf

https://www.chisou.go.jp/tiiki/tiikisaisei/portal/pdf/h30jirei_zentai.pdf


企業版ふるさと納税に係る大臣表彰

https://www.chisou.go.jp/tiiki/tiikisaisei/portal/pdf/dai3kai_hyousyoujirei.pdf


ご企業様の表記


①「15 th アジア TV ドラマカンファレンス」の HP や開催ガイド紙等で、ご支援企業として掲載いたします。


②表彰があります(予定)


③参加頂きました関係者の名簿(連絡先など含)等、今後の事業にお役立てください。

 

 

お問い合わせ

応募(若手)

 過去のアジアテレビカンファレンス

14回(2019年) HP BLOG     『Beyond Asia to the World –アジアドラマ、さらなる世界へ』 

回(201年) HP   変化を読む:新たな環境、可能性と機会

回(2017年)     HP    HP HP HP 境界を越えるドラマ:ジャンル、国境、プラットフォーム

回(201年) HP    HP   HP 

回(201年) HP 

ATDCの歴史(動画)

〒162-0818 東京都新宿区築地町4番地神楽坂テクノスビル

一般社団法人ATDC

                                                                                                                                                                           代表理事 羽原大介 沼田通嗣

E-Mail: atdc2023@gmail.com


 杉田亮毅(すぎたりょうき)

             一般社団法人ATDC名誉顧問

 この二カ年、北陸地方の最北端、能登半島の七尾市で、「アジアTV ドラマカンファレンス」という国際会議が開かれている。テレビドラマの質を向上させようという目的で、日本、韓国、中国東南アジアなど九カ国のプロデューサー、脚本家などの専門家が一堂に集まり、自らの経験などを報告し合い、互いに切磋琢磨しているのだ。元々は、隣国の韓国などのレベルアップを狙って作った会議だったが、「今では逆転された日本が、韓国、中国から勉強する会議になってしまった」(日本側のプロデューサー沼田通嗣氏、脚本家羽原大介氏) かつて、アジアの中で、光り輝いていた日本のテレビドラマ、映画は、華々しく活躍する中国、韓国に比べ、すっかり影をひそめている。そして日本の視聴者は、中国、韓国のドラマ、映画に夢中になっている有様だ。音楽も恐らくそうである。世界市場を相手に活躍する韓国の音楽には、二周、三周もおいていかれているという。 何故か。三〇年にわたる経済の低迷が影響したことは確かだろう。しかしそれだけではない。貧乏している間に、生活を守ることのみに汲々として、テレビ、映画、音楽など、コンテンツ文化の大切さを忘れた、あるいは、認識が低下したのだ。政府も政治家も、経済を担う経営者も。あるいは、ジャーナリストもそうかもしれない。

 現代劇にしろ、歴史ドラマにしろ、テレビドラマや映画を外国の人々に見て貰うことは、自国の伝統や、ものの考え方、そして生活を、何のお説教もなく、映像を通して理解して貰うことになる。自分の音楽を聴いて貰って共感を呼ぶことは、情緒、心情において共有する部分を広げることになる。

 文化の交流は、演説や論文の何倍もの「外交」に値する。私は、国境を超えて文化の交流をすることは平和につながる、いわば、「第二の安全保障」になると言っている。 世界は今、ロシア、ウクライナ、イスラエル、ハマスと戦火の臭いが広がりつつある。

そういう時こそ、文化交流の重要性が高まることを改めて胸に刻もう。

                                                   日本経済新聞社 元社長

                                                       参与・杉田亮毅